私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
でも、超がつくほどにぶい王子にそんな事がわかっただなんて、少し感激してしまう。
「……って、美咲がいってたから」
こけそうになった。
で、ですよね~。
「えっと、前に働いていた所でお世話になった同僚に会っていたんです」
「へぇ…何の話してたの?」
そういって目を細める王子。
不自然な程にぐいぐいくるなぁ…
なんだかやっぱり様子が変だ。
王子の機嫌をそこねないよう、包み隠さず話そうとして……とどまった。
さっき類としてきた会話は、王子に話せるような事じゃなかったんだった。
なんで店をクビになってでていったかとか、
お兄さんに何をされたのかとか……
それに……
────お前の事が好きだ
「…………っっ!」
そう言った類の声がいきなり頭の中で響く。
そうだ……私、類に告白されたんだっけ。
そして、抱き締められたんだっけ…