私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
「葉月?」
「へっ?あっ…はい?」
王子に名前を呼ばれて、ふと我に帰る。
そんな私をみて、王子はますます不機嫌そうな顔になる。
そんな王子に、私は慌てて嘘をついた。
「えっと、世間話をしてたんです!」
堂々とそんな嘘をつく私を見る王子の目は
全然笑っていない。…いや、むしろこわい。
冗談きつかったかな。
「その世間話してた相手って、男?」
「え?はい、男の人です」
いきなりそんな質問をする王子。
な、なんでそんな事聞くんだろ…?
まるで彼女に嫉妬してる彼氏みたいじゃない。
そういうの勘違いしちゃうんだってば。
勝手に変な勘違いをしそうになる自分が嫌で拗ねてしまいそうになる私に、
王子がとんでもないことを口にした。