私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
「えっ?」
言われて今自分が何を持っているのかを確認する。
それは、どこからどうみても大根で、
決してかぼちゃではなかった。
「葉月には、それがかぼちゃに見えたんだ?」
そうやってからかうように王子が目を細める。
「違います!」
そうやって否定するけど、王子はまた馬鹿にしたようにクスクス笑うばかりだった。
そういえば、最近王子にこんなふうに馬鹿にされることが増えたような。
まぁ、馬鹿にされるようなことをしてる私も私なんだけど……
なんか王子にだけは馬鹿にされたくない!
そんな事を思いながら王子の視線を無視して買い物を続ける。
そんな時だった。