私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
「ねぇあの人超かっこよくない?」
「それそれ!それ今あたしも思ったー!」
そうやってきゃあきゃあはしゃぐ女の子達の声が耳に入った。
声のする方をふりかえると、王子をちらちらと横目でみながらはしゃぐ若くて綺麗な女の人達の姿があった。
その " 超かっこいい " 男の人が王子だってことくらい、彼女達の視線をたどらなくとも分かる。
それに……彼女達だけじゃなかった。
さっきから、王子とすれ違う女性達のほぼ全員が、王子の事を見て頬を明らめたり、
二度見三度見をしたりしていることに、
気がついていないわけがなかった。
仕方がない。
海里蓮という男は、女を虜にする天才なのだから。