私の王子様は、冷酷なんかじゃありません

「葉月、何に苛々してるの?」

「ち、違います。苛々、じゃ、なくて……」


いらいらじゃなくて、もやもやするの。
だって……私、多分……や、や、焼きもちやいてる……の、かなぁ?

だって今、ものすごくもやもやして……


もやもや……


───んん?


「葉月、なんか顔が赤いけど…?」

そうやって心配そうに私の顔を覗きこむ王子。

言われて気がついた。
なんだか頭があつくて、重い。

心情的な問題ではなくて、
物理的に体がもやもやする……

体がだるい。
き、気持ち悪い……

< 176 / 300 >

この作品をシェア

pagetop