私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
王子の家
コポコポコポ…という音で目が覚めた。
コーヒーを注ぐ音…?
「う…ん…」
目が覚めたそこは、あたたかなベッドの上で。
「あれ、公園のベンチじゃない?」
思わずそう呟いて、心の中で自問自答する。
そうだ。私…冷酷王子の所で家政婦さんやることになったんだ。
その話を王子から聞いたとき、
私は安心しすきだ。
そしてそこで記憶がとまっているということは…つまりそういうことだ。
目を見開いた王子の顔を少し覚えている。
あぁ私…
「き、気絶しちゃったんだ…」
あまりにもな自分の失態に、もう一度気絶したくなる。
いやいやいや、
気絶なんて生まれてこのかたしたことがなかったのに。
よりによってなんであの時に!?