私の王子様は、冷酷なんかじゃありません


「う、うそ……」

私、王子の事が好きだったの!?

自分で答えをだしておいて、自分で驚く。

いやいや、でも私今熱があって頭がおかしいし脳が正常な判断をしていないだけかも?

でも恋をすると脳は正常な働きができなくなるっていうし。

そんな風に一人で悶々と葛藤しているうちに、近づいてくる王子の足音。



コンコンッ



そうノックされたドアの音に、心臓が縮みそうになる。


「葉月、薬持ってきた。入……」

「ま、まままままって!!」


入ってもいい?

そう言おうとしたのであろう王子の声を叫んで遮る。


「え、入っちゃ駄目?」


ドアの外から聞こえる王子の声は戸惑っている。


うぅ…だって、さすがに、

好きかも?

なんてさっき思っちゃった相手と部屋で二人きりはちょっと……

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