私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
そんな私をみて、一瞬きょとんとした王子の目が、すぐに哀れみの目に変わるのが分かった。
え…何なの、その熱で頭がおかしくなったのかと言いたげな目は。
「葉月……早く薬飲んで」
そういって王子は、水の入ったコップと錠剤をテーブルに置いた。
「なんなら飲ませてあげようか?」
そういって、にやりとした笑みを浮かべる王子。
一瞬固まる私。
の、飲ませるって……
一体何を言ってるの!?
「そ、そそそのくらい自分で出来ます!」
お粥はまだしも、さすがに薬は大丈夫じゃない。しかも錠剤。
王子もさすがにそれは冗談だったのか、
クスクス笑いながら水と薬を手渡してくれた。