私の王子様は、冷酷なんかじゃありません

これからどう生きていくかを考えなくちゃいけないのに、泣くなんて。

だめだだめだ。
そう自分にいいきかせ、パチパチっと頬を両手でたたき、砕けそうになる自分をどうにか奮い立たせる。

大丈夫、どうにか…なる。

そんな強気な事を心では呟くけど、
感情は比例してくれなくて。
一度流れた涙は次の涙を呼ぶ。


少しだけ漏れた嗚咽は、最初のそれだけではおさまらなかった。


「う、うわぁ…ん!ひっく…」


声をあげて泣くなんて、子供のすることだと思ってた。


でも、一度こぼれた声は止まらない。

恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい。

あぁ私、今とんでもなく子供だな。
もう、今年で25なんだけどな…

でもここは夜の公園。


だれも見てない。

冬の夜の公園になんて誰もいない。

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