私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
過去とちゃんと向き合って
ピロリロリンッ ピロリロリンッ
「ふわぁ…………んん~っ?」
リズミカルなケータイの着信で目覚める。
やけにカーテンから差し込む日射しがまぶしいから……今はもう朝?
そうか。私あれからずっと寝てたんだ……
そんな事を思って、ベッドからもうずっと調子のよくなった体を起きあげ、ケータイを手に取る。
『着信 柳ケ瀬 類』
ケータイに表示されていたのは類の名前だった。
「る、類……?」
こんな朝早くになんだろう?
そんな事を思いながら電話にでる。
「類、おはよ~」
『……おはよう』
電話越しに聞こえるのは、ものすごく深刻そうな類の声だった。
そして…
『───兄貴が自首した』
類が、感情の読めない声でそう言い放つ。
え……。
自首…?
渚さんが、自首───?