私の王子様は、冷酷なんかじゃありません


「え……自首ってまさか……」



甦る、あの日の忘れられない記憶。

渚さんが自首したって……




『なんの事だか分かる…よな。』


「うん」


あのことしか考えられない。


『葉月、頼む。

一緒に警察に行って欲しい』


申し訳なさそうな類の声。

それに返事するのに一瞬戸惑う。

でも、私も渚さんとちゃんと話をしないといけない。


「分かった。今から行く」


『……ごめん』

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