私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
かぶっていた毛布をかきあつめ、
足をばたつかせる。
恥ずかしさにまた泣いてしまいそうになった時。
ばたつかせた足が何かにあたって、小さな物音をたてた。
「あ、起きた?」
来た ───!
キッチンの方から声がかかり、
足音が近づいてくる。
それが扉の前でとまり、
開けるよ、という声とともに部屋の扉をあけて王子が入ってきた。
「………!」
王子の顔がみれなくて、私は毛布の中からでられなかった。
お礼いわなきゃいけないのに…