私の王子様は、冷酷なんかじゃありません



す、すすすきな男の家!?

あまりの衝撃に、おもいっきりのけぞってしまう。

好きな男の家……まあ、そうなんだけど……


「──な、なんでそう思ったの?」


肯定はせず、とりあえず聞いてみる。


「まぁ、ラーメン屋に帰るの迷ってるの見てたら、なんとなく?」


なんとなくって……

そんななんとなくわかっちゃうものなの!?

というか、私が男の人と同居してることばれてるよね……

「付き合ってんの?」

「そ、そんなわけないでしょ!」


類から出た付き合ってるって言葉にわかりやすく反応してしまう。


──ただの片思いだから!


いいかけた言葉は、喉の奥でとどめた。

仮にも告白してくれた相手に言うのは何だか酷なような気がして。


類はどう思ってるのかなぁ……

そりゃ、よく思うわけないよね。

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