私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
それで……心配して、探してくれてたの?
ずっと……?
胸が、ドキンと跳ねた。
「──心配かけてごめんなさい」
ごめんなさいなんて言ってる癖に、
心配してくれていたことが嬉しいなんて思ってる。
そんな私ってゲンキン?
「別に、帰ってきてくれたからもういい」
そういって、王子が私の頭に手をおいて、ポンポンっとする。
見上げた王子の顔は、微笑んではいなかったものの、もう怒ってはいなかった。