私の王子様は、冷酷なんかじゃありません


「王子は、人が寒いって言ったら、手をつないだり、その……だ、だ、抱きしめたりするんですか!?普通はそんな事しません!」


そう叫んで、王子の腕の中から逃げた。


「そうだね。俺、葉月の事となると普通じゃいられなくなるのかな」


「え、ええっ?何をいってるんですか!」


サラッととんでもないことを口にする王子。

うぅ……ほんとに無自覚って怖い……

そして、王子にとってはなんてない一言にいちいち反応しちゃう自分も嫌だ。

すごく嫌だ。


「葉月、怒った?」

「怒ってないです」

「いや、やっぱり怒って…」

「怒ってないですからっ!」


< 235 / 300 >

この作品をシェア

pagetop