私の王子様は、冷酷なんかじゃありません


だって、好きな人に自分の作ったごはんを食べて貰える私って、幸せだなあっておもったんだもん。


「葉月は、いろいろとわかりやすいよね。
ラーメン美味しく作れたから、嬉しくてニヤニヤしてたんだろ?」


…………全然ちがう。


「あぁ、まあそうですね」

違うなんて言って理由を追求されても困るので一応肯定しておく。

王子の馬鹿。……鈍感。

心の中で文句を言う。
すると、ラーメンをすすっていた王子がいきなり手をとめて顔を上げ、私の目を見つめ出すものだから、

一瞬、心の中で言ったはずの文句が聞こえたのかと思って焦った。


「ねえ葉月」


「は、はい…?」


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