私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
「葉月ちゃ~ん、お疲れー!」
「あ、美咲さん!お疲れ様です」
手をひらひらさせながら現れたのは美咲さんで。
ん、手に何か持ってる……?
何かのチラシのように見える。
「うふふ、葉月ちゃん、これ見て!」
「……?はい」
美咲さんがそう言ってチラシをさしだす。
チラシには綺麗なイルミネーションの写真が載っていて──
どうやら、どこかの綺麗なイルミネーションのチラシのようだった。
「ね、綺麗でしょ!矢羽田デパートの前の通りのとこなんだけど……毎年イルミネーションがすごい綺麗なの!」
そう言って目を輝かせる美咲さん。
そして……いきなりガシっと私の腕をつかんだ。