私の王子様は、冷酷なんかじゃありません


そんな事を考えて悶々としていると、
いきなり王子が現れ、声をあげて驚いてしまった。


───ほんと、足音たてないで近づくのはやめてほしい。


「ん、葉月。それ何?」


「……え?って、ああっ」


そう言って私の手からチラシを奪う王子。

チラシをみて、へぇ、と声を漏らす。


イルミネーション?と聞かれて、コクコクと頷く。



「蓮、これ、葉月ちゃんと一緒に行ってきなよ!」

「ちょ、美咲さん……!」


いきなよ~とニヤニヤする美咲さん。

いやいやいや……王子絶対困ってるよ~!

私なんかとイルミネーションみたいはずないし……

< 244 / 300 >

この作品をシェア

pagetop