私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
いつの間に……
いつの間に、こんなに好きになっちゃったんだろう?
見上げた横顔があまりにも綺麗でドキンとする。
「ん、葉月、どうかした?」
見られていることに気づいた王子が、
そう言って首をかしげた。
「な、なんでもないです。……あ、あのシカ可愛いですね!サンタさんもいる!」
そう言って、適当にイルミネーションでできた動物達を指差す。
「うん、あれはシカじゃないよ、トナカイだよ」
「あ、ほんとだ……」
そんな馬鹿みたいな会話を交わしながらイルミネーションのトンネルを二人でゆっくりと歩いていく。