私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
王子の側にはいられない。
イルミネーション…デート?が終わって、
三日が過ぎた。
もちろん、バイトでは隙あらば美咲さんに王子との事でからかい倒された。
ほんと、王子がいつもいつも紛らわしい言い方するから……
でも、もうそれに悩まされることもなくなるのかな?
「──あの、美咲さん」
店が終わり、更衣室のソファで腰かけてくつろいでいた美咲さんに声をかける。
私のいつもより少し低い声に、振り向いた美咲さんの表情はきょとんとしていた。
「葉月ちゃん、どうしたの……?」
一瞬固まった。
どうしよう、こういうのって更衣室で言ってもいいことなのかな?
でも美咲さんと二人で話ができるのはここくらいだ。