私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
「ごめん!お客さん急に増えちゃって……
休憩あがってもらえるー?」
朝霧さんがそういって申し訳なさそうに現れる。
「あ、いまいきます!」
そういって急いで店へ戻る。
内心で、助かったと胸を撫で下ろしながら。
「お疲れ様でした~」
「あ、お疲れ」
店内に、お疲れ様という言葉が飛び交う。
ここのカフェは6時には閉まる。
それから30分くらいでミーティングや帰りの仕度をすませ、いつも6時半にはあがるのだ。