私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
「葉月、帰ろっか」
いつもなら、まあ一緒の家にすんでいるのだから当たり前なんだけど、
駅の方向が一緒だとか言って、
私は王子と一緒に歩いて帰る。
でも、今日は……
「ごめんなさい、行きたいところがあるので……先に帰っていてもらえますか?
夕飯は、冷蔵庫に用意してあるので、レンジであたためて食べておいてください!」
頭をペコリと下げる。
困惑するような表情を浮かべる王子。
行きたいところがあるなら送ろうか?と言ってくれたけど、それは断った。