私の王子様は、冷酷なんかじゃありません


だ、ダメダメ!

強くならなきゃ。
王子の事は、忘れなきゃ!

くじけそうになる自分を奮い立たせるように、頬をパチパチっと叩く。


次第に見えてきた、

柳ケ瀬ラーメン とかかれた朱ののれん。


「あ、ここでとめてください」

「はいよ。1200円ね」


急いで財布からお金をちょうど1200円とりだし、トレーにおいてタクシーを出た。


あんなに急いで会計したのに、
ラーメン屋まで歩くその足取りはだいぶゆっくりだった。

そしてラーメン屋のドアの前までやっとたどり着き───


ふーっと息を吐く。






よし。





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