私の王子様は、冷酷なんかじゃありません


「類、やっぱり無理だよ……!

だってふられたら、私もう王子の家に住めないもん!

住むとこなくなったら、もう生きていけないよ……!」


家を物理的に失うという恐ろしさは、
25歳にして既に経験済だ。

ただ生活することがあんなに難しいことなんて、知らなかった。

今日寝るところがない恐ろしさも、
倒れそうな程の空腹も……


もう、もう、あんな生活には死んでも戻りたくない。


「柳ケ瀬ラーメンに戻りたいなんてもう言わないから。私が王子に告白するとかしないとか、類に関係ないでしょ!

そもそも、私の事好きとか言ってたじゃん!

あれは嘘なの……!?」

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