私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
私は別に部屋に鍵をかける習慣がなかった。
そもそも、部屋に鍵がついてるようなご立派な家にすんでいなかったし…
ふつうは、そうなのかな?
「もしかして、鍵なんていらないっていいたい?」
王子が、そういって真顔で尋ねる。
え、私鍵いらないなんて言ってないのに……顔にでてたかな?
でもいらないのは事実。
なくすの怖いし。
でもいらないなんて失礼かな?
そうやって戸惑う様子の私に、王子がはーっと深いため息をつく。
あぁ、またため息をつかせてしまった!