私の王子様は、冷酷なんかじゃありません


もし王子に、好きです、なんて言ったら、
どんな反応が返ってくるかな?


───え、すき?
あぁ、鋤?葉月、農作業したいの?


い、言いそう言いそう……


鈍感な王子の事だ。
ふられるも何も、それ以前に私の気持ちを理解してもらうためにすごい時間がかかりそう。


「や、やっぱ無理……!」


そう言って部屋の前でジタバタする。


「類には、ちゃんと告白してふられたよ!って、未遂なのに嘘の報告しちゃおうかなぁ……」


そんな風に、悪魔の心が声をあげたときだった。


いきなり部屋のドアが開き────



「う、うぐっ……!」

「わ、葉月……!?」


鼻を、ドアに直撃してしまった。

いきなり、部屋のドアを王子が開いたのだ。


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