私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
「わっ、私……王子の事が好き!」
気がつけば、そう心の声が漏れていた。
目を少し見張って、驚く王子。
そして、王子がゆっくりと口を開く。
気がつけば、その口を唇で塞いでいた。
───キス。
きっと、鈍感か王子にはこうでもしなきゃ私の気持ちなんて伝わらない。
少しして、ゆっくりと唇を離す。
「……好きです」
ちいさな、ちいさな声でそう呟く。
もしふられたら、もう王子には二度と会えなくなるかもしれない。
だからその前に───
せめて後悔しないように、自分の気持ちを伝えたい。