私の王子様は、冷酷なんかじゃありません


今日の夜は、私は家で一人でお留守番だ。

王子は朝霧さんと店に置く食器の買い出しとかで、遅くなるのだ。

買い出しは基本ネットで済ませることが多いらしいのだけど、食器は別なのだろう。


まあ、大事なお仕事だよね。


……でも、そうなんだけど……


「ひ、暇だぁ~…」


ふーっとため息と共にそんな本音が漏れる。


テーブルの上には、まだ手をつけていない夕食が二人分。


先に食べていていいからとは言われたものの、なんだか一人で食べる気にはなれなかった。


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