私の王子様は、冷酷なんかじゃありません


「──き」


……ん……?


「──づき」


肩を優しく揺さぶられる。


ても、まだ頭がほわほわしていて……


「──葉月」


王子の、声…?


それに気がついて、重たい瞼をそっと開ける。


「葉月?なんでこんな所で寝てるの?」


そう言って、目を丸くしている王子。


「ふわぁ……だって……待ってた、の……」


王子が帰ってくるのを待ってたんだよ。

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