私の王子様は、冷酷なんかじゃありません


「くじには、帰るって、いったのに…」


眠たいせいか、頭がふわふわして、うまく呂律がまわらなくて……

王子が帰ってきてくれて嬉しいけど、
すごく眠い……


「ちょ……葉月……?」

「う……ん、眠いの……」



そう言って王子にぎゅーっと抱きつく。

外はあんなに寒かったはずなのに、
王子はあたたかい。

そのあたたかさが、さらに眠気を誘う……


「あったかぁい……王子、だいすき……」



だいすき。だいすき。だいすき……



そう心の中で繰り返しながら、
私は王子の腕の中で二度目の眠りについた。

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