私の王子様は、冷酷なんかじゃありません


「だ、だめっ…!ひゃぁっ……やめてください…!」


そういっているのに、王子は面白がるように耳をあまがみするのをやめてくれない。

何度何度も角度を変えて耳にキスを落とされ……

頭がおかしくなりそうになる。


「葉月、耳弱いよね」

「…………っっ!」



そう言って、意地悪に微笑む王子。


「もう付き合って一ヶ月もたつのに、
葉月はずっと反応が初々しいね」


「う、初々しくてわるかったですね!」


「悪くないよ。そういうとこ可愛いから。それに……」


そこまで言って、いきなりククッと笑いだす王子。


その隙を狙って王子の腕から脱出し、
毛布にくるまり王子から離れた。


って……まだ笑ってるし。


何がそんなにおかしいの…?


< 298 / 300 >

この作品をシェア

pagetop