私の王子様は、冷酷なんかじゃありません


「へぇ、自分はそうやって逃げるんだ。
……昨日は葉月の方から俺に抱きついてきたのに?」


「……っっ!?」


一瞬フリーズする。

え……え?

抱きついて来たって何……?

ぽかんとする私をみて、王子がため息をつく。

「寝ぼけてて覚えてない?残念。俺、葉月に可愛く愛の告白をされたんだけど」

「え、えええっ?」


してません、と即否定できないのが悲しい。

だって寝ぼけてしたことなんて覚えてないよ!


「わ、忘れて下さい…!それは寝ぼけてしたことであって、そういうわけじゃ……」


「じゃあ好きじゃないんだ?」


「うっ…」


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