私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
その事が私に拍車をかけた。
泣いたっていいよね。不安だよ。
怖いよ。 私、今日寝る場所だってないんだよ。
頼れる友人も恋人もいない。
あぁ私、ひとりぼっちだ。
そんな事を考えていたらますます涙が止まらなくなって。
「うわぁ…ん!ううっ、ひっ…く、うっく…ううっ…」
みっともない声を出して泣きじゃくる、
いい歳した私。
泣いたっていいよね、明日から頑張ろう。
今日は泣こう。
開き直る私。
どうせ誰もみてない。
そんな風に開き直って、今度は思いきり叫んじゃおうかなぁなんて頭がおかしくなりそうだったその時だった。
「…大丈夫?」
ふいに、背後から声がかかった。
声をかけられたという事実に、一瞬、
脳の働きが停止する。
え?
夜の人気のない公園。
声をかけられてるのは、多分私。
大丈夫かなんて声をかけられるような状況にいるのは、多分私。
「………。」
「………。」