私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
そんなことを聞かれて、分かりやすく言葉につまってしまう。
そんなの……そんなの。
「わかっててそういうこというの、ずるいです」
───好きに決まってるじゃない。
好きなの、だいすきなの。
馬鹿みたいにドキドキして、一緒にいるとぽかぽかするの。
馬鹿みたいに、恋してるんだから。
「……大好き」
そう言ってかぶっていた毛布をぬぎ、王子にぎゅっと抱きつく。
そんな私の頭を、王子がポンポンとした。
「葉月、昨日の夜と同じ事してる」
「え……わわっ」
いきなり、私の頭を撫でていた王子の手にグッとひきよせられる。
私の鼻の先に、王子の顔があって。
ドキッとしたその時にはもう、
その距離は0になって。
王子は私に、優しいキスを落としてくれた。
「……んっ」
「葉月、好きだよ」
そう唇の上で囁かれ、
キスされているのに、思わず頬が緩んだ。
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