私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
「…やっぱ家政婦やめるとか、なしだから」
横で、拗ねたように王子が呟く。
「そんなこといいませんよ」
まぁ、確かにびっくりはしたけど…
やりがいがあると考えることにする。
それに、なんだか王子の人間らしい所が垣間見えたみたいで嬉しかった。
「じゃあ、朝ごはんできるまで待っててください」
「うん」
そう言うと、王子はリビングに移動して、ソファーに腰をおろした。
よし。朝ごはん、作らなきゃ!
昔から仕事で親が帰宅するのが遅かったのもあって、料理には慣れているし、得意な方だ。
冷蔵庫には以外と使えそうな食材がはいっていたし、冷凍庫には冷凍ごはんもあったから、朝ごはんをつくるのにそう時間もかからなかった。
メニューは、味噌汁にごはんに目玉焼き…といういかにもなもの。
でも、朝ごはんにはこういうのが一番ぴったりだと思う。
朝は断然ごはん派だ。