私の王子様は、冷酷なんかじゃありません

自分でも気づかないうちに、ガン見しちゃってたのだろう。

「そんなに見られると、食べにくい」


「ご、ごめんなさい…」


でも…と王子が続ける。


「すごく美味しい…ありがとう」



「……………!」



嬉しくて、テーブルの下で右手をガッツポーズしてしまった。


(やったぁ! )


御世辞かもしれないけど、
それでも美味しいっていってくれたことが嬉しくて、にやにやしてしまう。


1人でごはんをつくることがあっても、
それを誰かに食べてもらうのなんて本当久しぶりだ。

美味しい、なんて言ってもらえたことも。



< 38 / 300 >

この作品をシェア

pagetop