私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
自分でも気づかないうちに、ガン見しちゃってたのだろう。
「そんなに見られると、食べにくい」
「ご、ごめんなさい…」
でも…と王子が続ける。
「すごく美味しい…ありがとう」
「……………!」
嬉しくて、テーブルの下で右手をガッツポーズしてしまった。
(やったぁ! )
御世辞かもしれないけど、
それでも美味しいっていってくれたことが嬉しくて、にやにやしてしまう。
1人でごはんをつくることがあっても、
それを誰かに食べてもらうのなんて本当久しぶりだ。
美味しい、なんて言ってもらえたことも。