私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
そのことを理解した瞬間に襲ってきたのは羞恥。
ど、どうしよう
見られてた…
別の意味で泣きそうになりながら、恐る恐る振りかえる。
そこに立っていたのは
男の人…
「え……」
暗くて顔はよくみえないはずなのに、
なんだか私、この人を知ってる。
そんな気がした。
私、あなたと初めて会った気がしないのよとかいうドラマチックな感じではなく、
ほんとに。
(私、この人、どこかで…)
暗がりに目が慣れて、
男の人がとても整った顔をしていることに気がついた。
そして…もう1つの事にも。