私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
「わ、私でよかったらいくらでもお手伝いしますよ!」
カフェで働くなんて、女なら誰でも惹かれるはずのお誘いだ。
美咲さんの面接をパスできるかはちょっと不安だけど…
私、やりたい。
「本当に……?」
王子が、信じられないというような眼差しを私に向ける。そんなに断られると思ってたのかな…?
「本当です!でも、家政婦のお仕事は続けさせてください。それが、お手伝いする条件です」
そう言った瞬間、王子の顔に困惑の色が浮かぶ。
だって、もう王子に荒れた生活を送ってほしくない。
それに、なんだか家政婦の仕事は楽しいから。元々家事が好きな私にとって、家政婦の仕事はきっとむいていたんだろう。