私の王子様は、冷酷なんかじゃありません

ほんとにもう…

なにが冷酷王子だ。
とんだ鈍感王子じゃない。

心の中でぶつぶつ呟きながら王子を見る。
この人…こんなにかっこいいのに、あんな誤解ばかりの高校生活を送っていたとか、本当に信じられない。

靴箱に手紙がはいってたら、ラブレターだって思うでしょ普通!

何をどう考えたら脅迫状だなんて勘違いが起こるんだろう。

もう、逆にすごい。

な、なんかものすごくいらいらしてきた。

何なの!?せっかくモテるんだから、モテない人の分まで幸せになってよ!


そんな事を思って、つい王子をまじまじと見つめてしまっていた。

それに気がついた王子がどうしたの?というような顔をして顔を上げる。


あなたにいらいらしてましたなんて言えない。
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