私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
「分かったよ、葉月」
「……。お願いします」
そんな風に王子は頷くけど。
申し訳ないがいまいち信用がない。
王子、ほんとにわかってるのかな。
そんなことをおもってもう一度念押ししようとしたその時。
「あ、美咲」
王子がそう呟くのと、店のドアが開くのがほぼ同時だった。
ふりかえったそこにたっていたのは…目をみはるほどの美人さんで。
その美人さんが王子のお姉さんである美咲さんだってわかるのに、そう時間はかからなかった。