私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
見惚れていた私に、美咲さんがそういって優しく微笑む。
花のような微笑みだった。
美咲さんは雰囲気は王子とそっくりでとってもクールな感じだけど、笑うととても雰囲気が変わる。
「は、はいっ…佐原葉月と申します!」
女の私でも、ついついドキッとしてしまい、名前を言うのに声がうわずってしまだた。
そんな私の緊張を解くように、美咲さんがまた優しく微笑む。
そして、一歩、また一歩と私との距離をつめる。
(……へっ?)
そして。
「かっ、可愛いわーーーーーー!!」
「……っ!?」
えっと驚いた時にはもう、私は美咲さんの腕の中。
驚きやらなんやらで、頭が真っ白になる。
えええっ
私、抱きしめられてる!?