私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
近づいてごめん。
きっと王子からは、女子から嫌われていた…と勘違いして送った高校生活での癖がぬけていないんだろうな、と思った。
近づいてごめん、なんて。
なんて悲しいことを王子に言わせてしまったんだろう、私は。
王子の事だ。
私ったら、勘違いをさせてしまったかも…。
「葉月ちゃん、気にしなくて大丈夫よ」
「美咲さん…」
私の表情をみて察したのか、美咲さんが王子に聞こえないくらい小さく、そう声をかけてくれる。
少し、私と王子の間に気まずい空気が流れた。