私の王子様は、冷酷なんかじゃありません

そして、その変な沈黙をふきとばすように、美咲さんが明るい声をあげて店のドアノブに手をかける。


「蓮ったら、もーいちいち落ち込まないの!あんたが悪いんだからね。
よしっ、開店まであと二時間しかないわ。
葉月ちゃん、入って。蓮も」


そういって美咲さんが店のドアをあけた。

カランカラン…と可愛らしい音が鳴り、ドアが開く。


「お、おじゃまします」


そう小さく呟いて、店の中に入る。


そして───目を見張った。



「うわぁっ」


声をあげないではいられなかった。

あまりにも素敵なその内装に。


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