私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
「私なんて、本当全然可愛くなんてないですから」
そうやって否定する。
自分が可愛くないことくらい、ちゃんと自分でわかってる。
でも、それを聞いた美咲さんが、とんでもないと言うように目をまんまるにして。
そして、いきなり暗い表情になる。
「あなたは可愛いわ。私、ずっとあなたみたいに女の子らしくて優しそうな、可愛らしい人になりたかったのよ」
さっきまであんなに勢いのよかった美咲さんが、そんなことを泣きそうな顔で言うものだからびっくりしてしまう。
え、ええ?
私は一瞬、美咲さんが何を言っているのかわからなかった。
だって、あまりにも言ってることと容姿が一致してなさすぎて。