私の王子様は、冷酷なんかじゃありません

「友達だって、自分から声をかけないとできたことなかったのよ。それに、学生時代に男友達なんて1人もできたことがなかったわ」

…………。

それは、美咲さんが高嶺の花な美人さんだったからではないのか。

ああこれは… すごい。

王子と美咲さんは、DNAレベルでこういう異性の感情にうとい思考回路をしているんだ。

返す言葉を失い、驚きを通り越して、もはやあきれて唖然とする私に、美咲さんが言う。


「それに……美人だったら、とっくに好きな人に好きって言えてるわ」




────え?


美咲さんからの突然の好きな人発言に驚いて、ええっと声をあげそうになったその時だった。

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