私の王子様は、冷酷なんかじゃありません
前働いていたラーメン屋では、オーダーをとるときにはメモをとるアナログな方法だったから、オーダーマシーンの便利さに感心してしまう。
「……と、まぁ簡単に説明するとこんな感じ?何かわかんないとことかあった?」
そういって可愛らしく首をかしげる朝霧さん。
「いえ!すごく分かりやすかったです、ありがとうございました」
ならよかった、と優しく微笑む朝霧さん。
昔から優しそうな人だなぁとは思っていたけれど、ほんとに優しい人みたい。
そんなことを考えていた私を、急に真顔で見つめ出す朝霧さん。
え……私、なんか変な顔してたかな?
「佐原さん、ちょっと変な事聞いてもいいかな?」
私の顔をまじまじと見つめる朝霧さんが、急に真剣にそんな事を言い出すからびっくりしてしまう。
「い、いいですよ?」
え?変な事?
って、何?
「佐原さん……もしかして前に俺に会ったことあったり、する?」
「…………えっ」