龍瞳ーその瞳に映るもの
そんなセンチな気持ちは
響き渡るサイレン音でかき消される。

サクヤさんはどうするんだろう。

店長や市原さんが
また明日もあのスーパーで
いつものように働けたらそれでいい。
私はもう2度と2人には会えない。


そうだ、最近めっきり口をきかなくなったアズと1日いることから
逃げる口実がなくなった。

あの夜に戻れるなら
もう絶対アズの瞳になんか映らない。

もしも、なんて大嫌いな言葉なのに
あの夜だけはそう思わずにはいられない。
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