龍瞳ーその瞳に映るもの
「美緒のお願い聞けないの?」
生意気恥知らず生き晒し者。

「ていうか、あんたに拒否権とかないから」

人が下手に出たら調子に乗って、
だから下等な人間は大嫌い。

世の中はピラミッドで
頂点にいる者は絶対なの。

「わかった?ちゃんと調べんのよ」

最初からこうやんなきゃわかんないバカ。

「わかった」

「最初からそう言いなさい。
次、刃向かったから許さないからね」

すぐにでもイクヤにまわさせてやる。

「今度美緒が彼に会う時から開始よ。
バレないようについてきて」

住所は知らない。
職場も知らない。

22歳の自営業だという事しか知らない。

「名前は言わない。信用してないから」

彼の名前しか知らない。
彼にぴったりの名前。
そんな簡単に教えない。

「何よ、その目」

何か言いたげに美緒を見ている。
イラつくけど一応頼み事してるから
おおめにみてあげる。
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