龍瞳ーその瞳に映るもの
「ん?なんだ」

「元気になってよかったね」

そんなアズを思い出しニヤけてるなんて
言えるはずがなく誤魔化してみる。

「声、セクシー」

誤魔化しきれてない気がして
ちょっとだけ本音を言ってみる。

「声?」

「掠れてる」

「あぁ」

喉の辺りを触りながら咳払いをする。

「お前の掠れた声も聞かせろ」

どこでどうなればこうなるのか
昨日まで意識朦朧としていたとは
思えない体力に私の意識が朦朧とする。

「声、聞かせろ」

挑発的な目で見下ろしながら
よりいっそ深い場所を刺激する。

聞かせたくなくても、
コントロールできないことを知りながら
私を楽しむから嫌でも掠れた声になってく。

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