龍瞳ーその瞳に映るもの
ビルの中の駐車場。
要塞のようなコンクリートに囲まれた
そこから外に出る。

リモコンで操作すれば頑丈なシャッターがおりていく。完全に閉まったのを見届け車は発進した。

「ん」

「なんだ」

「なんか変な感じ」

誰かに見られている気がした。
周りには何もない。
あるのは広い道路だけ。

交通量の少ないこの道路が
今日は珍しく車が頻繁に通っている。

「この先で祭りがあるからな」

「それでか」

それで誰かに見られている気がしたんだ。

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